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- ラジエターに使用されるLLCはエンジン熱や空気に触れることで主成分のエチレングリコールが酸化します。酸化したエチレングリコールは添加剤の防錆剤を消費することで防錆性能が低下し劣化します。また、消泡剤も消耗することで冷却効果が低下します。
LLC(クーラント液)の劣化原因
ラジエターの不凍液として使用されるLLC(ロングライフクーラント)は、使用開始時の濃度(不凍性能)に十二分な余裕があるため、不凍性能の低下が原因で故障や交換に迫られる機会はほぼありません。
交換が必要な最大の要員は、防錆性能の低下にあります。この他、消泡性能の低下や汚れ(油分、異物の混入)により劣化するため、定期的な交換が必要となります。
・防錆性能の低下
LLCは主成分がエチレングリコールですが、その他に防錆剤が添加されラジエター内部の錆などの腐食を防止してます。
しかし、主成分のエチレングリコールはエンジンからの熱やラジエター内の空気に触れることで酸化します。酸化したエチレングリコールは腐食性が強く、添加された防錆剤を消費することで防錆性能が低下します。
・消泡性能の低下
液体であるLLCは、ラジエター内部でウォーターポンプや振動による泡が発生しないよう消泡剤が添加されています。消泡剤は熱や時間経過により性能が低下します。
気泡を含んだ冷却水は極端に冷却性能が低下するため、消泡剤の劣化するとオーバーヒートの原因となります。
・汚れ
LLCは鮮やかな緑や赤色です。しかし、劣化により酸化などで成分が変質することで色が濁り汚れとなって現れます。変質した成分はラジエター内の詰まりの原因ともなります。また、ラジエター内部の腐食による錆の発生、油分(オイル)の混入することでも汚れます。
なお、オイルの混入についてはエンジン内部のトラブルの初期症状が疑われます。
LLC(クーラント液)濃度と防錆性能について
LLCは通常濃度50%で使用されます。市販される希釈不要のLLCの濃度も50%です。
LLCの防錆性能で考えた時、LLC濃度が高い方が添加された防錆剤の量も多くなります。しかし、主成分であるエチレングリコールも多いため腐食性が強く防錆性能を消費する酸化したエチレングリコールも多く発生するため、単純に濃度を高くしても寿命を延ばすこと(交換頻度は減らすこと)は出来ません。
使用状況とLLCの劣化について
主成分であるエチレングリコールや消泡剤の酸化・化学変化は、時間経過だけでなく高温や温度変化などの熱履歴により促進されます。
従って使用時間が短い機械ではLLCの劣化が遅くなり、自己責任の範囲で交換頻度長くすることが出来ます。
また、開封したLLC(ストレート使用の補充用、希釈タイプの原液)であってもボトルのキャップを閉め、倉庫など安定した状態で保管すれば長期保管することが可能です。
LLCの防錆性能の低下と劣化原因
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・LLCの劣化
主成分の酸化、酸化に伴う添加された防錆剤の消耗。消泡剤の性能低下など劣化します。劣化は使用に伴う熱や空気に触れることで起きるため、使用前のLLCは開封しても再び栓を閉めて冷暗所等で保管すると長期保管できます。

