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農業機械メンテナンスナビ共通メンテナンス項目農機具のエンジンオイル交換方法>オイルドレインパッキン
 エンジンやミッションケースからオイルを抜くオイルドレインには、ドレインのネジ部の隙間を塞ぎ、油漏れを防ぐためオイルドレインパッキン(ガスケット、ワッシャー等)が使用されています。
 オイルドレインパッキンには、オイルパンとドレインネジ部の僅かな隙間を柔らかい材質で密着させることで隙間を防ぐとともに、ボルトの脱落防止効果があります。
 オイルドレインパッキンは、形状や用途によりガスケット、オイルワッシャー、Oリング等呼び方が幾つもあります。また、材質もエンジン周りではアルミや銅といった金属が主流ですが、金属の表面を樹脂やゴムでコーティングしたものや、ゴム性のものもあります。

主なオイルドレインパッキン
・オイルドレインワッシャー
 高温に晒される場所に多く使用され、車や農業機械のエンジンオイルのドレインに幅広く使用されています。主にアルミや銅等の柔らかい金属性でボルトを締め込むことで、ワッシャーが潰れて隙間を塞ぎ漏れを防ぎます。
 車の場合、車メーカー毎に材質や形状が異なります。しかし、基本的に同じ働きをしており、ネジ部の大きさが同じなら問題なく使用できます。
 ・アルミ製と銅製のオイルドレインワッシャーの使い分け
 銅とアルミでは銅の方が硬い素材です。
 このため、オイルパンがアルミ製の場合、銅製のワッシャーを使用すると銅の方が硬いため、銅製の使用は適しません。
 オイルパンが鉄製の場合、銅とアルミは鉄より柔らかいためどちらでも使用することが出来ます。比較すると銅の方が硬いため、大きなドレインボルト等の締め付けトルクが高い時に適しています。
 鉄製とアルミ製のオイルパンは、アルミは主に銀色で小型の農業機械に多く使用されています。磁石を近づけて張り付けば鉄製。くっつかなければアルミ製です。
・Oリング
 耐油性のあるニトリルゴム等の材質の丸いゴム製の輪っか。
 比較的高温にとならない箇所に使用され、農業機械では動噴ポンプのオイルドレイン等に使用されています。
・シールテープ
 フッ素樹脂性のテープで、水道の配管等の水漏れ等に使用されるものとほぼ同一のものです。
 ネジ山の隙間を埋めて漏れを防ぎます。農業機械のミッションケース等のドレインで使用されています。

・オイルドレインワッシャーの再利用
 オイルドレインワッシャーは、車では基本的に毎回交換となっているパーツです。しかし、実態としてワッシャーが完全に潰れるなど痛んでなければ(油が漏れ出なければ)数回使用しても大きな支障がないパーツです。
 農業機械においては、管理人の知る範囲で毎回交換等という表記を見かけたことがなく、多くが農業機械が寿命を迎えるまで再利用するか、支障がある時に交換する程度です。管理人の場合も基本的に一度も交換することなく、農業機械が寿命を迎えます。
 再利用する場合、丈夫な銅製の物の方が再利用し易く傾向にあります。
 オイルドレインワッシャーは、メーカー純正のオイルドレインワッシャーは高価(1枚当たり100円程)ですが、汎用品であれば1枚20~50円(10枚セットで200円から500円程度)のため、汎用品を一度購入すれば再利用する必要がなく毎回交換することができます。

オイルドレインパッキン

  • オイルドレインワッシャーの写真
  • ・オイルドレインワッシャー
    ・アルミ製
     銀色(写真左上)アルミ製ワッシャー。
    ・アルミコート
     黒色(写真右)内部のアルミをコーティングしたワッシャー。

    ・銅製
     茶色(写真左下) 銅製のワッシャー。
  • O-リングを使用したオイルドレイン写真
  • ・O-リング(オーリング)

     動力噴霧器のオイルドレイン。ドレインプラグの根元にニトリルゴム製の輪っかが付けられています。

  • シールテープを利用したオイルドレイン
  • ・シールテープ

     フッ素樹脂製のシールテープ。
     ネジ部の密着を高めることで液漏れ防ぐ効果があります。


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