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- 刈払機の日常点検の主な内容と注意点についてです。点検が不十分だと作業中の刃が高速回転時に振動の発生や、飛散物によるケガ。燃料の漏れなどがおきるため、安全に使用するために主要なネジの緩みやその他異常がないか始業前に確認することが大切です。
良くあるトラブルと原因
・エンジンがかからない
→・プラグの汚れ ・燃料詰まり ・エアフィルターの詰まり
・異常振動がある
→・刃の変形
・回転刃が飛んできそうで怖い
→・ネジの緩みは確認する癖をつけます
刈払機の点検整備
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・刈払機の点検箇所
赤丸の部分が主な点検箇所(刃先、刃の付根、取付けネジ、飛散防止カバー、ハンドルの取付部、肩掛けベルトの取付部(緊急離脱部)など)など。
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・回転刃(チップソー)の取付
回転刃(チップソー)の裏側の取付部です。
回転刃を止めているネジの緩みと止め具のズレがないかをを確認します。
特に刃を交換した直後は、特に注意が必要です。
稀に作業中に回転刃が外れる事案を聞くことがあります。外れた刃が人に当れば大怪我となります。 -
・飛散防止カバーの取付
飛散防止カバーが所定位置に取付けられ、ネジの緩みや容易に動かない状態でないかを確認します。
所定位置より刃側に近いと回転刃への干渉や、刈った草が巻き付き易くなります。
所定位置より刃から遠いと、飛散を防ぐ範囲が狭くなり、作業者への飛散が増えて危険が増します。 -
・刃の状態確認
チップソーの刃の状態です。刃(円盤)の変形が起きていないか、刃が欠けていないかを確認します。
写真では、3個の刃の内、右側の刃が欠けています。複数の刃が欠けていれば、刃の交換時期です。また、回転刃の一部分が偏って欠けると回転バランスが悪くなります。バランスが悪くなった刃は、作業時に異常振動を起こすため、交換の判断基準となります。 -
・回転軸の点検
回転刃(チップソー)の表側。刃と本体の隙間にゴミが詰まっていないか確認します。挟まっていれば除去します。回転部分の摩擦による発熱原因となります。放置して使用し続けると、熱により回転部分(内部のベアリング)の寿命が短くなります。
中心に写る突起部分が、ヘッドギアのグリス注入口である六角ナットです。 -
・アームの取付確認
アームの付け根部分です。ネジでアームの根元部分が押さえられています。
作業による振動で、緩みやすい箇所です。 -
・作業ベルト・緊急離脱装置
普段は使わない、緊急脱出用の金具です。
正常に動作するかを確認します。体制を崩した時などの離脱に使用します。滅多に使用することがありませんが、斜面での転倒やめまいで倒れこみそうになった時等の緊急時に使用します。 -
・エアフィルター
エアフィルターにゴミがつまり、エンジンがかかりに難くなります。汚れた酷ければ燃料で洗います。日常の手入れでは汚れが目立ったときに、外して叩く(はたく)程度の掃除を行います。
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・燃料パイプ・ポンプ
燃料パイプ等はビニール製の為、劣化が進行する部分です。燃料を入れたまま日向に放置すると、燃料が気化して圧力が高まり破損することがあります。
燃料漏れがないかを確認します。破損予防に機械を日向に放置しないようにします。 -
・給油作業
混合油を給油しますが、給油によりトラブルも発生します。タンク内にゴミが入らないように注意します。ゴミがノズルを詰まらし、エンジンがかからなくなります。
写真は、清潔な漏斗を使用して給油してます。燃料缶に直接取り付けるノズルも市販されています。 -
・給油後のエンジン始動
写真のように給油時に油がこぼれた場合は、気化した燃料に引火する可能性があります。
始動するときは場所を移してからエンジンをかけます。 -
・給油道具の管理
燃料缶の口、漏斗や給油ポンプを放置すると、燃料のついている部分にゴミが付着し、給油時のゴミ混入の原因になります。
汚れないよう一式を袋にいれて閉じておきます。
特に直接給油口に入れる漏斗やノズルは、要注意で別に袋に入れておきます。