- 農業機械メンテナンスナビ>ハンマーナイフモアのメンテナンス方法>湿式エアクリーナーと吸気部のメンテナンス
- ハンマーナイフモアは、自ら刈取る草や作業に伴い撒き上がる土埃等が漂う過酷な環境で使用されます。エンジン不調とならないよう燃焼のためのエアクリーナーなどの吸気系統や、放熱のためのリコイルスタータカバーの空冷系統のメンテナンスを行います。
・湿式エアクリーナー
巻き上げる粉塵等により過酷な環境で使用されるハンマーナイフモアの吸気では、性能の高い湿式エアクリーナーが使用されています。
湿式のメンテナンスでは、メンテナンス時に廃油の発生や洗浄に灯油を使用するなどゴミの発生や匂いなど周囲への汚染。乾燥に時間(日数)がかかるなど大きな手間が必要となります。
・メンテナンス頻度
・エアクリーナーカバー:毎回始業の都度
・エアクリーナの清掃:25時間毎、ほこりの多い場所の使用では10時間又は1日1回※1
・オイル交換:50時間毎 ※1
・エレメント交換:300時間毎
※1当サイトの管理人は果樹園内のみの使用で、1シーズン終了後に1回清掃と交換をしています。
・リコイルスタータカバーの清掃:毎回始業の都度
・清掃に必要な用具
・OA用ダストスプレー、又はコンプレッサ等のエアー
・エンジンオイル(SAE10W-30相当)
・灯油
・小さなブラシ(歯ブラシでも可)
・使い捨てポリエチ手袋(ゴム手袋でも可)
エアクリーナ湿式のメンテナンスと吸気部の清掃
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・湿式エアクリーナの清掃用具
・OA用ダストスプレー、又はコンプレッサ等のエアー
・エンジンオイル(SAE10W-30相当)
・灯油
・小さなブラシ(歯ブラシでも可)
・使い捨てポリエチ手袋(ゴム手袋でも可) -
・エアクリーナとエアクリーナーカバー
メンテナンスを行うエアクリーナとカバーです。
エアクリーナ等を分解して清掃を行います。 -
・エアクリーナーカバーの点検と清掃
エアクリーナーカバーに穴や破れがないか点検します。付着したゴミはエアーで吹き飛ばして清掃します。汚れが酷いときは水か薄めた中性洗剤で優しく手洗いします。 -
・エアクリーナーの取外し
クランプ(留め具)を外してオイルパンとエレメントを外します。
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・オイルパンの清掃
オイルパンの古いオイルと捨て、底に溜まった土や草片などのゴミを清掃します。ゴミなどの汚れはウエス等で拭き取ります。灯油で洗浄するスッキリときれいに出来ます。
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・オイルパンに新しいエンジンオイルを入れる
オイルパンのレベル線まで新しいエンジンオイルを入れます。
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・エレメントの清掃
灯油にエレメントを浸して洗い、清掃します。エレメント(スポンジ)と金具が癒着し、剥がす際に破れそうな時は、無理に外さずに金具に付けたまま清掃します。
清掃後、しっかりと乾かします。※2
乾いたエレメントはエンジンオイルに浸して固く絞って余分なオイルを振り落とします。
エレメントは弱く、作業では優しく丁寧に扱います。 -
・エアクリーナー組付け
エアクリーナーにエレメントとオイルパンを元通り組付けます。
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・リコイルスタータカバーの清掃
リコイルスタータカバーのメッシュは、エンジンの熱を放熱する吸気口になっているため、草片などのゴミが貼り付きます。
エンジン始動前にその都度、メッシュに貼り付いたゴミを軍手等でこすり落とします。 -
・エンジンの放熱フィンの清掃
リコイルスタータカバーの清掃行っていても、使用環境や長期に使うと内部のエンジン回りのフィン(放熱のための羽根のような突起)にゴミが堆積して放熱が悪くなります。
フィンに堆積したゴミは、ウエスを当てたマイナスドライバ等の先端で擦る。エア吹きかける等して清掃します。※3
※2エレメントの乾燥
灯油を使用して洗浄したエレメントは乾燥に非常に時間がかかります。エレメントが破れないよう灯油を絞るためには、エレメントを潰して大まかな灯油を絞ったのち、ウエスで挟んで再度潰すことで灯油をかなり絞ることができます。
十分に絞ったエレメントでも、乾燥させるには風通しの良い場所で数日を要します。その間、灯油の匂いがかなり漂うため乾燥場所に配慮が必要となります。
※3エンジンの放熱フィンの清掃
エンジンの放熱フィンのゴミは、数年にかけて徐々に堆積するものであり、通常定期的な清掃は必要ありません。コンプレッサエアーが使用できる場合には、シーズン終わりの片付け時等にフィンに吹きかけて清掃しておくことで堆積を防ぐことが出来ます。次ページ:燃料フィルタポットの清掃