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農業機械メンテナンスナビハンマーナイフモアのメンテナンス方法>カバーの防錆方法
 ハンマーナイフモアのカバーは錆による腐食が深刻な箇所です。カバー内側は作業により塗装の剥がれに加え、土や草片の付着により露出した金属部分が急激に錆がすすみます。錆が深刻となるとカバー交換が必要となり高額な修理費となるため、錆予防を行うことが重要です。
・防錆の方法
 ・洗浄
 カバー内部に付着した土や草片などのゴミを水洗いで清掃します。付着した土等は落とし難くいですが、土が付着し放置した部分は土に含まれるミネラルと水分により錆が発生し易くなります。
 可能であれば使用の都度水洗いを行い、特に長期保管前には徹底的に洗浄します。
 ・乾燥
 水濡れ状態は錆が進行するため、洗浄後は、完全に乾燥させます。また、保管中も水分が付着しないよう、風通しが良く乾いた場所で保管します。
 ・グリス、オイルによる湿布
 金属部分にグリスやオイル等の油分で覆うことで防錆を行います。
 油分による防錆方法は油分が落ちやすいため長期的な防錆に適しませんが、手軽に防錆を行うことができます。
 ・塗装
 塗装が剥がれ金属が露出した箇所に錆止め剤や塗料により塗装を行うことで防錆を行います。
 塗装による防錆では、錆止め剤のみ。錆止め剤に塗料を重ねる。塗料のみ。シャーシブラック。等の方法が、手間や用いる塗料により防錆効果が異なります。

・防錆処理での注意点
 防錆処理を行う時、土等のゴミや水分の付着。既に錆が発生している箇所にそのまま防錆を重ねても内部で錆が進行し悪化します。
 防錆処理では、予め洗浄によりゴミを徹底的に落とし、良く乾燥させてから行います。既に多くの錆が発生している箇所では、洗浄と乾燥に加えへ、サンドペーパーや金属ブラシで錆を落としてから防錆を行います。

ハンマーナイフモアのカバー内の防錆方法

  • シャーシブラックによる防錆処理用具
  • ・防錆処理に必要な用具
     ・シャーシブラック(油性)
     ・養生テープ
     ・新聞紙
     本ページでは防錆塗料として車の下回り等に使用するシャーシブラックを使用します。※1
  • 洗浄後の乾燥
  • ・洗浄後の乾燥
     カバー内部は空気の通りが悪く、乾き難い箇所です。ロータリーカバーを上げて扇風機で風を当てるなどして十分に乾かします。
     冬季前等で気温が低下している時には除湿機を併用するなどしてしっかりと乾かします。
  • カバー内の塗膜の剥がれ
  • ・塗膜の剥がれ
     カバー内側は土や草がぶつかることで塗料が剥がれがおきます。
     塗膜が剥がれ地金が露出すると急速に錆が発生するため塗料による防錆を行います。
  • ナイフドラム、ボルトの保護
  • ・ナイフドラム、ボルトの保護
     塗料(シャーシブラック)が稼働部のナイフドラム。ボルト・ナットなどにかからないよう、新聞紙と養生テープで保護します。
  • シャーシブラックによる塗装
  • ・シャーシブラックによる塗装
     金属が露出した箇所に塗料を数回に分けて重ねて塗装を行います。
  • 塗装を終えた箇所
  • ・塗装を終えた箇所

     塗料が剥げた箇所がシャーシブラックで塗装され地金が露出した箇所がなくなりました。

  • ボルト、ナットの防錆
  • ・ボルト、ナットの防錆

     塗装中保護していたボルト、ナットはグリス(オイル)スプレーを吹き付けて防錆を行います。
     ボルト、ナットを塗料で纏めて塗装すると、癒着し外せなくなるためグリス(オイル)で防錆を行います。

  • フリーナイフ及び取付けボルト等の防錆
  • ・フリーナイフ及び取付けボルト等の防錆

     フリーナイフの先端。根元の取付け部分などのボルトやナットの防錆では、グリスやオイルスプレーを吹き付けます。
     長期保管中にナイフ交換を予定している場合、交換を行ってからグリスやオイルスプレーの吹き付けを行います※2

※1 シャーシブラックについて
 シャーシブラックは車の下回りに使用する防錆塗料です。シャーシブラックは油性と水性があります。
 油性は速乾性で強力に付着するため、稼働部にかかると故障の原因となります。水性は乾くのに時間がかかりますが、稼働部にかかっても剥がれやすくトラブル原因となることが少ないです。
 ハンマーナイフのカバー内側の防錆では、作業に注意が必要ですが耐久性が高い油性による塗装が適しています。

※2 ナイフ及び取付ボルトのグリス・オイルスプレーの使用について
 フリーナイフの取付けボルト及びナットは、取付け時の締め付けと使用による腐食による癒着で回り難く(固く)なっています。
 工具を使用するナット及びボルトの傘の部分にグリス等の油分が付着すると、なめて取り外せなくなる原因となります。
 長期保管中にナイフ交換を予定している場合にはボルト等の取付部にグリス等を使用しない。誤って使用してからナイフ交換を行う場合には、ボルト及びナットの油分をパーツクリーナーで洗浄して油分を除去してから工具を使用することでナット等をなめること予防することができます。


 ナイフドラムの広範囲の錆の発生やフリーナイフ取付部の摩耗がある場合には、 次ページ:ナイフドラムの防錆と摩耗対策にて紹介しています。

 次ページ:ナイフドラムの防錆と摩耗対策

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