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農業機械メンテナンスナビスピードスプレイヤーのメンテナンス方法>噴霧圧力が上がらない原因と対処方法
 スピードスプレイヤーの動力噴霧器は、使用を重ねることでパッキン類の劣化や稼働部の摩耗による劣化が起こる為、定期的な点検や修理・交換が必要となる箇所です。修理では専用の交換パーツが必要となる為、業者への修理依頼が必要となります。しかし、修理等を必要としない箇所が原因で圧力が上がらない場合もあります。
・対処可能な噴霧関係のトラブル原因と対処方法
・ストレーナーの詰まり
 異物が多い水を使用すると配管途中のストレーナ(濾し網)が詰まり吸水量が減ることで圧力が低下します。ストレーナーを外して掃除することで解決します。再発する場合には、吸水に濾し網を使用するなど、予め異物を除去する検討が必要です。
・吸水バルブの切り替え間違い
 吸水タンクはポンプへの供給。止水。排水などの切り替えを兼ねるなど、機種により異なえいます。単純なバルブの切り替え間違いであることがあります。
・Vベルトの破断、摩耗
 エンジン部から動力噴霧器のポンプへの動力伝達では、Vベルト1本~複数本が用いられています。Vベルトが大きく摩耗。Vベルト複数本の内の1本が破断していると、低負荷(低圧力)では支障がなくても、高負荷(高圧力)時にのみベルトが滑り圧力最大値が低くなります。
・Vベルトのテンションの緩み
 エンジン部から動力噴霧器のポンプへの動力伝達するVベルトの張り(テンション)が緩いと、低負荷(低圧力)では支障がなくても、高負荷(高圧力)時にのみベルトが滑り圧力最大値が低くなります。
・噴霧圧力計の故障
 動噴圧力を表示する圧力計は、それ自体が故障するケースも多くあります。使用感や薬液の減る量に問題がない場合、圧力計の故障であることもあります。圧力計が故障しても直接の使用には問題がありません。圧力計自体は、圧量計の交換が必要です。
・調圧バルブの緩み
 噴霧圧力を調節する調圧バルブを普段触らない機種では、調圧バルブはロックナットで固定されています。ロックナットが緩むことで調圧バルブが回ることで圧力が低下します。調圧バルブを確認し、緩んでいる場合には締め込みロックナットで固定します。
・ホース、接続部からの漏水
 ホースの劣化や摩耗。給水部のパッキンの劣化により漏水が起こることで圧力が低下します。交換のホースや、接続部使用されるOリングやゴムパッキンはホームセンターで購入可能なため、交換して漏水を止めることができます。
・噴霧ノズルの詰まり
 噴霧ノズルの穴は小さいため、異物で比較的容易に詰まります。噴霧ノズルを外して掃除することで解消することができます。

・対処不可能(業者への依頼が必要)な原因
・調圧弁の摩耗
・ポンプのピストン、シール、パッキンの劣化や摩耗
 動噴ポンプのゴムパーツは経年による劣化。ピストン部が繰り返し可動することにより摩耗が発生します。適正に注油することでピストン部等の寿命を延ばすことが出来ますが、一旦発生した劣化や摩耗による圧力低下は、専用部品が必要となるため業者への修理依頼が必要です。

噴霧圧力が上がらない原因と対処方法

  • ストレーナの詰まり
  • ・ストレーナーの詰まり

     薬剤タンクに入れる給水ホースのストレーナーです。
     薬剤タンクを内蔵したスピードスプレーヤーでは、タンク下部の配管途中にストレーナーがあります。
     詳しくは別ページ:スプレーヤーのメンテナンス方法> ストレーナの掃除
  • Vベルトテンションの緩み
  • ・Vベルトの破断、摩耗
    ・Vベルトのテンションの緩み

    ・動噴ポンプとエンジンを繋ぐVベルト
     写真の機種では動力噴霧ポンプとエンジンは、2本のVベルトにより動力が伝達する仕組みとなっています。
  • テンションの確認
  • ・異常やテンションの張りを確認
     Vベルトの破断だけでなく、ひび割れや損傷。摩耗によるベルトの瘦せ状況。指で押して停止状態でテンション(張り)等を確認します。写真では触らない状態でもたわみが発生し緩んでいます。
     テンションの強さは取扱説明書を確認します。
  • 動噴ポンプの固定ベルト
  • ・ポンプ下の固定ボルトを緩める
     テンションを張る為、ポンプを固定するボルトを緩めます。
  • テンション調整ナット
  • ・調整ボルトでポンプを動かしてテンションを張る
     動噴ポンプの位置を調整するナット回して位置を動かしてベルトを張ります。調整は、ロックナットで固定されているため、ロックナットを緩めて調整。ロックナットで再度固定します。
     調整後ポンプ下の固定ボルトで固定します。
  • 噴霧圧力計
  • ・噴霧圧力計の故障

     動噴からの水圧を計る圧力計です。
     圧力の上り方で、吸水の問題。ポンプの能力の問題。ノズルの問題などを大まかに判断する根拠となります。
     圧力計はそれ自体も故障することが多い箇所です。
  • 調圧バルブ
  • ・調圧バルブの緩み

     古い機種や、調圧バルブを頻繁に触らない機種では、調圧バルブはカバー内に格納され作業中にみることが出来ない機種もあります。
     ロックナットが緩み調圧バルブの締め込み量が変わると、圧力が大きく変動します。
  • 噴霧ノズルの詰まり
  • ・噴霧ノズルの詰まり

     薬剤にゴミ等の異物が混入すると、噴霧ノズルの小さな噴霧口に詰まります。詰まったら分解しての清掃。詰まらないよう給水方法の見直しや詰まり難い噴霧口サイズへの変更が必要となります。
     詳しくは別ページ:スプレーヤーのメンテナンス方法>噴霧ノズルの掃除
動噴ポンプ消耗品の修理・交換
 動力噴霧器のポンプ部分は、消耗品パーツが多いため10年程度で修理交換が必要となる箇所です。
 修理ではピストン等に損傷があると費用が高額となりますが、単純な消耗パーツの交換だけとなり、作業料や出張作業費等が多くを占めます。(但し、専用パーツなので消耗部品でも全体に割高な価格設定になっています。)
 異音や圧力低下したとき、無理使いせずに早めに修理を行うと、修理箇所が少なく安価に修理できる場合があります。

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